「除外キーワード」で調べている方には、実は2種類います。
ひとつは、無駄なクリックを消したい方。もうひとつは、前に入れた除外を取り消したい方です。
後者は意外と多いのですが、あまり書かれていません。除外を入れすぎて広告が出なくなり、どれを外せばいいか分からなくなる。よくある状態です。
この記事では両方を書きます。入れる基準と、消す基準。どちらも金額で決められます。
- 除外キーワードが効く仕組み(1分で)
- 2つの種類の使い分けと、間違えたときに起きること
- 除外していいかを金額で決める基準
- 入れすぎると何が起きるか(これが一番怖い)
- 入れた除外を削除する手順と、どれを消すかの見分け方
- やりがちな間違い5つ
除外キーワードは「この言葉では出ないで」という指示

Amazonの広告は、自分が設定した言葉そのものだけでなく、近いと判断された言葉でも表示されます。
これは便利な仕組みです。思いつかなかった言葉で売れることがあるからです。
ただ、まったく関係のない言葉でも出てしまいます。
たとえば、有料で売っている商品の広告が「無料」という言葉を含む検索で出る。押されます。買われません。広告費だけ減ります。
除外キーワードは、こういう言葉に対して「この言葉では出さないでください」とAmazonに伝える設定です。
効果は地味ですが確実です。売上は増えませんが、減っていた分が止まります。結果として利益は増えます。
2つの種類があり、効き方が違います

除外キーワードには2つの指定方法があります。ここを間違えると事故が起きます。
| 種類 | 効く範囲 | 「無料」と入れた場合 |
|---|---|---|
| 完全一致 | その言葉だけと一致したとき | 「無料」とだけ検索したときだけ止まる |
| フレーズ一致 | その言葉を含む検索すべて | 「◯◯ 無料」「無料 ◯◯」も全部止まる |
使い分けはこうです。
- その言葉が入っていたら絶対に売れない → フレーズ一致
- その特定の検索だけが悪い → 完全一致
たとえば自分が扱っていないブランド名なら、それが入った検索はすべて無駄です。フレーズ一致で止めます。
一方で「安い」のような言葉は、判断が分かれます。「◯◯ 安い」では売れないけれど「安い ◯◯ おすすめ」では売れているかもしれない。この場合はフレーズ一致にすると、売れている方まで止まります。
フレーズ一致は範囲が広く、止めるつもりのなかった検索まで巻き込みます。
そして巻き込まれたことは、レポートには出ません。出なくなった検索は、記録も残らないからです。
確信があるときだけフレーズ一致。迷ったら完全一致。これで事故が減ります。
除外していいかを金額で決める

どの言葉を除外するかは、感覚で決めないでください。基準があります。
その検索語に使った広告費が、1個売れたときの粗利を超えている。
それなのに1件も売れていない。
この2つがそろったら、除外していい。
粗利が800円の商品なら、その言葉に800円使って0件。そこが線です。
なぜクリック数ではなく金額なのか。1クリックの値段が言葉によって違うからです。
1クリック20円の言葉なら、10クリックでも200円です。粗利800円の商品なら、まだ様子を見ていい。逆に1クリック250円の言葉なら、4クリックで1,000円。もう超えています。
同じ「10クリックで0件」でも、意味がまったく違います。だから金額で見ます。
粗利の出し方と、そこから広告費の上限を計算する方法はこちらです。

金額を超えていなくても除外していい例外
数字を待たずに除外していい言葉もあります。見た瞬間に売れないと分かるものです。
- 自分が扱っていないブランドや型番
- 中古を扱っていないのに「中古」が入っている
- 買う気のない言葉(使い方・直し方・捨て方・意味 など)
- 明らかに別の商品を指している言葉
これらは金額が溜まるのを待つ必要がありません。1クリックでも見つけたら止めます。
ただし、思い込みで判断しないこと。「これは売れないだろう」と思った言葉が売れていることは普通にあります。レポートで実際に0件であることを確かめてから止めてください。
除外を入れすぎると起きること

ここが、あまり語られない部分です。
除外キーワードは「入れれば入れるほど良い」ものではありません。入れすぎると広告そのものが弱ります。
1. 表示回数が減って、判断ができなくなる
除外を増やすと、広告が出る場面が減ります。当たり前ですが、これが効いてきます。
表示が減ると、クリックも減り、データが溜まらなくなります。すると「この商品は広告が効かない」という判断になり、止めてしまう。
実際には、自分で出口を塞いだだけです。
2. 当たる言葉に出会えなくなる
広告の一番の価値は、思いつかなかった言葉で売れることです。
自分で考えたキーワードは、たいてい平凡です。実際に売れるのは、想像していなかった組み合わせだったりします。
除外を広く入れると、その出会いの機会が消えます。とくにフレーズ一致で一般的な言葉を止めると、想像以上に広い範囲が消えます。
3. 消えたことに気づけない
これが一番やっかいです。
除外によって出なくなった検索は、レポートに残りません。出ていないので、記録のしようがないからです。
つまり「除外のせいで売れなくなった」という事実は、数字を見ても分かりません。気づかないまま、じわじわ弱っていきます。
だから除外は、入れるときに記録を残すのが正解です。いつ・何を・なぜ入れたか。3列のメモで十分です。あとで見直すときに、これがないと手がかりがゼロになります。
入れた除外キーワードを削除する

ここからは、もう一方の話です。
削除の手順
除外キーワードは、設定した場所によって置き場が違います。ここでつまずく方が多いです。
| どこに入れたか | 探す場所 | 効く範囲 |
|---|---|---|
| キャンペーン単位 | キャンペーンを開いて設定の中 | その中の広告グループすべて |
| 広告グループ単位 | 広告グループを開いた中 | その広告グループだけ |
「広告グループを見たけど、その除外がない」というときは、キャンペーン側に入っています。逆もあります。
両方を確認してください。同じ言葉が両方に入っていることもあります。その場合、片方を消しても止まったままです。
該当の言葉を見つけたら、削除やアーカイブの操作で外します。反映には少し時間がかかります。すぐに表示が戻らなくても、しばらく待ってください。
どれを消せばいいか分からないとき
除外を何十個も入れてしまって、どれが悪さをしているか分からない。この状態は、力技で解決します。
手順はこうです。
- 今入っている除外を、全部リストに書き出す
- フレーズ一致のものだけに印をつける
- そのうち、一般的な言葉(安い・おすすめ・セット・用 など)を消す
- 2週間待って、表示回数が戻るか見る
- 戻らなければ、次にブランド名以外のフレーズ一致を消す
フレーズ一致から疑うのは、範囲が広いからです。完全一致は1つの検索しか止めないので、何十個入れても影響は限定的です。
一度に全部消さないでください。全部消すと、また元の無駄クリックが戻ります。どれが原因だったかも分かりません。
消す。2週間見る。まだなら次を消す。この繰り返しです。
そもそも除外が原因ではないこともある
表示が減った原因が除外だと思い込んで、消しても戻らないケースがあります。
入札額、在庫の状態、価格の条件、予算切れ。表示されない原因は他にもあります。除外を消す前に、そちらを確認したほうが早いこともあります。
除外できるのは、言葉だけではありません

検索用語レポートを見ていると、言葉ではなく商品の番号が並んでいる行があります。
あれは検索された言葉ではありません。他の商品ページの中に、自分の広告が出たという記録です。
Amazonの広告は、検索結果だけでなく他の商品ページにも出ます。だから「どの商品ページに出たか」も成績として残ります。
ここも、同じ基準で止められます。粗利を超えて使って0件なら除外する。言葉のときとまったく同じです。
見落とされやすいのですが、ここが効くことは多いです。関係のない商品ページに延々と出続けて、広告費だけ減っているケースがあります。
並んでいる商品の番号が、自分の別の商品だった。
つまり、自分のお客さんを自分の広告費で奪っている状態です。
広告を出さなくても売れていた分に、お金を払っていることになります。
レポートを開いたら、言葉の行だけでなく商品の番号の行も一度見てください。多くの方が、ここを見ていません。
やりがちな間違い5つ

| 間違い | 何が起きるか |
|---|---|
| 1クリック0件で除外する | 本当は当たりだった言葉まで消える |
| 迷わずフレーズ一致にする | 売れている検索まで巻き込んで止まる |
| 記録を残さない | あとで見直せない。原因が追えない |
| 自動ターゲティングに大量に入れる | 言葉を探す機能そのものが死ぬ |
| 売れている言葉を除外に入れる | 売上が消える。意外と起きる |
最後の1つは、笑い話ではありません。
売れている言葉を手動キャンペーンに移したあと、自動キャンペーン側で重複しないように除外を入れる。これ自体は正しい操作です。
ただ、手動側の設定が正しくできていないと、自動では止まり、手動では出ないという状態になります。売れていた言葉が丸ごと消えます。
除外を入れる前に、手動側で実際に表示されていることを確認してください。順番は「手動で出るのを確認 → それから自動側で除外」です。
2週間に1回、10分でやること

- 検索用語レポートを直近30日で出す(期間は毎回30日のままでいい)
- 広告費の大きい順に並べる
- 粗利を超えて使って0件の言葉を拾う
- 完全一致で除外に入れる(迷ったら完全一致)
- 日付・言葉・理由をメモに1行書く
5番だけ、面倒でも必ずやってください。
半年後、広告の調子が悪くなったときに開くのがこのメモです。これがないと、何十個の除外の中から原因を探すことになります。
レポートの出し方と、見る列の絞り方はこちらに書いています。

- 除外キーワードは売上を増やさない。減っていた分を止める
- 種類は2つ。迷ったら完全一致。フレーズ一致は巻き込む
- 除外の基準は粗利を超えて使って0件。クリック数では見ない
- 扱っていないブランドや「使い方」系は、数字を待たずに止めていい
- 入れすぎると当たる言葉に出会えなくなる。しかも気づけない
- 除外はキャンペーン側と広告グループ側の両方を確認する
- 消すときはフレーズ一致から少しずつ。一度に全部消さない
- 入れた日・言葉・理由を1行メモに残す。あとで唯一の手がかりになる
除外キーワードは、広告の中でいちばん地味な作業です。
やっても売上は増えません。数字が跳ねることもありません。ただ、毎月少しずつ漏れていたお金が止まります。
そして入れすぎれば、逆に広告そのものが弱ります。足すのも引くのも、基準を決めてから。それだけの話です。


