「せどりはオワコン」「中国輸入はもう稼げない」「BUYMAは終わった」
物販について調べていると、こういう言葉ばかり出てきます。
そして厄介なことに、言っている人はたいてい1つの手法しか知りません。自分がやっている手法を勧めるために、他をオワコンだと言っているだけ、ということがよくあります。
私は物販を10年以上やってきて、その間にひと通りの手法を実際に触ってきました。店舗せどり、電脳せどり、中国輸入、BUYMA、古着、無在庫。うまくいったものも、続かなかったものもあります。
その立場から、手法ごとに「今も成立するのか」「何がきつくなったのか」を並べて整理します。
先に結論を書いておきます。オワコンになった手法というより、「オワコンになりやすい共通点」があります。そこが分かると、これから何を選べばいいかも見えてきます。
- 「オワコン」と言われる手法に共通していること
- せどり・中国輸入・BUYMA・古着・無在庫が、今どうなっているか
- それぞれ、今でも成立する条件はあるのか
- これから始めるなら、何を基準に選べばいいか
「オワコン」と言われる手法に共通していること

手法をひとつずつ見る前に、先に共通点を書いておきます。ここが分かると、あとの話が全部つながります。
共通点1:情報が全員に行き渡ると、旨みが消える
「この店のこの棚が狙い目」「このカテゴリが安く仕入れられる」
こういう情報は、知っている人が少ないうちだけ価値があります。SNSや動画で広まった瞬間に、同じ場所に人が殺到して、仕入れ値が上がるか、売値が下がります。
「みんなが知っている手法」は、その時点で利益が薄くなっているということ。これは手法の良し悪しではなく、構造の問題です。
共通点2:誰がやっても同じ商品になる
まったく同じ商品を、複数の人が売っている状態を考えてください。
お客さんから見て違いがないので、選ばれる理由が「安いこと」しか残りません。結果として値下げ競争に陥ります。
下げれば下げるほど利益が減り、最後は「売れているのに手元に何も残らない」状態になります。この形になった手法は、遅かれ早かれきつくなるでしょう。
共通点3:作業量が売上に直結している
店舗を回る、リサーチをする、出品する。
これらは、やった分だけ売上になります。裏を返すとやめた瞬間に売上が止まります。そして人間の時間には上限がある以上、どこかで頭打ちになるもの。
「稼げなくなった」のではなく「自分が限界まで働いても増えなくなった」という形で行き詰まるパターンです。
- 情報が広まって、旨みが消える
- 誰がやっても同じ商品になり、価格でしか差がつかない
- 自分の作業量が売上の上限になる
この3つが揃った手法は、時間の問題できつくなります。逆に言えば、この3つを外している手法は今でも成立します。
ここから、手法ごとに見ていきます。
店舗せどりは今どうなっているか

実店舗を回って、安く売られている商品を仕入れ、Amazonなどで売る手法。
きつくなった理由
- 店側が対策するようになった:まとめ買いの制限、転売目的の購入お断りの掲示
- 同業者が多い:狙い目の店・棚が動画やSNSで共有され、行っても残っていない
- 移動時間が全部コスト:交通費とガソリン代、そして何より自分の時間
- 1個ずつしか仕入れられない:同じ商品をまとめて確保できないので、いつまでも積み上がらない
「◯◯せどりはオワコン」「あの店はもう買えない」といった話が定期的に出てくるのは、この流れです。
特定の店を前提にしていると、その店が対策を強めた瞬間に一斉に困ります。実際、まとめ買いの制限や購入方法の変更は、各社が随時おこなっています。
今でも成立する条件
まったく無理ということはありません。ただし、条件はかなり厳しくなりました。
- 近くに回れる店が多く、移動時間が短い
- 特定のジャンルに詳しく、他の人が見落とすものを拾える
- 店の人と関係ができていて、まとめて相談できる
逆に「動画で見た店に行ってみる」というやり方は、いちばん厳しいです。その動画を見た人が全員同じ店に行っているからです。
電脳せどり・ポイントせどりは?

ネット上で安い商品を探して仕入れる手法。店舗と違って移動はありませんが、別の問題を抱えています。
全員が同じ画面を見ている
ネットの情報は、全国どこからでも同じように見えます。つまりライバルが全国にいます。
店舗せどりなら「その店に行ける人だけ」が競合ですが、電脳は違います。安い商品が出た瞬間、全国の同業者が同じものを見つけている。
ツールを使って自動で監視している人もいるので、手作業では先に取られます。
ポイントを利益に数えるのは危ない
「ポイント還元で実質◯%引き」という考え方があります。
ここは正直に書いておきます。ポイントを利益に組み込むと、判断を誤ります。
- ポイントの還元率は運営側の都合でいつでも変わる
- 付与に上限があり、まとまった数を仕入れると1個あたりの還元は下がる
- 付与されるまで時間がかかるので、その間の資金は自分で持つ必要がある
ポイントはあくまでおまけです。ポイントを外して計算しても利益が残る商品だけを仕入れる。この線を守らないと、まとまった数を仕入れたときに痛い目を見ます。
中国輸入は今でも稼げるのか

中国の通販サイトから安く仕入れ、日本で売る手法。
構造としては、まだ悪くない
先ほどの3条件で見ると、中国輸入は「誰がやっても同じ商品になる」を外せる余地があります。
同じ工場の商品でも、自分でブランドを付けて、自分の商品ページを作れば、そのページは自分だけのものになります。相乗りされず、値下げ競争にも巻き込まれにくい。
この点で、せどりとはまったく別の性質を持っています。
もうひとつ。自分のページを持つと、広告で人を集められるようになります。売れる形が決まれば、あとは同じ商品を仕入れて広告を回すだけなので、毎日新しい商品を探し続ける必要がありません。
ここで「作業量が売上の上限になる」という3つ目の条件も外せます。
ただし、ハードルは上がった
- まとまった数を仕入れる必要がある:最低ロットがあるので、少額では始めにくい
- 届くまで時間がかかる:注文してから売れるまでのサイクルが長く、資金が寝る
- 品質のばらつき:届いてみたら想像と違う、というリスクを自分で背負う
- 参入者が増えた:同じような商品が並び、結局は価格で比べられる場面も多い
とくに1つ目が大きいです。資金がない状態では、そもそも始められません。「オワコン」というより「入るのにお金が要るようになった」という表現のほうが実態に近いと思います。
BUYMAはどうか

海外のブランド品などを、注文が入ってから仕入れて発送する形。
在庫を持たなくていいのは大きい
売れてから仕入れるので、在庫を抱えません。これは資金が少ないうちには本当に大きな利点です。
また、扱う商品の単価が高いぶん、1件あたりの利益額も大きくなる。
きつい部分
- 出品作業が終わらない:数を出さないと売れないので、ひたすら出品し続けることになる
- 買い付けできないリスク:注文が入ったのに現地で品切れ、という事故がある
- 為替の影響を受ける:仕入れてから届くまでの間に、利益が削られることがある
- 価格が比較されやすい:同じ商品を出している人が並ぶので、結局は価格勝負になりやすい
3条件で見ると、「作業量が売上に直結する」がはっきり当てはまります。出品をやめると売上が止まる構造なので、外注しないと頭打ちになります。
古着転売は?

古着を安く仕入れ、フリマアプリなどで売る手法。
1点ものは、真似されないという強みがある
古着は同じものが2つとありません。つまり「誰がやっても同じ商品になる」を完全に外しています。値下げ競争が起きにくい。
ここは本当に良い性質だと思います。目利きができる人にとっては、今でも十分に成立します。
その代わり、全部が手作業になる
1点ものということは、1点ごとに撮影して、採寸して、説明を書いて、出品するということです。
100点仕入れたら、100回それをやることになる。同じ作業をまとめられません。
さらに、状態の説明が難しく、クレームや返品も起きやすい。売上を伸ばそうとすると、作業量がそのまま比例して増えます。
これも3条件の3つ目です。稼げないのではなく、自分の手が上限になるタイプです。
無在庫販売は?

在庫を持たず、注文が入ってから仕入れて発送する形。
資金がほとんど要らないぶん、魅力的に見えるでしょう。ただ、押さえておくべき点があります。
- プラットフォームによっては規約で禁止されています。ここを確認せずに始めるとアカウントを失います
- 仕入れ先が品切れ・値上げすると、赤字で売るか、キャンセルするしかない
- 発送が遅くなりやすく、評価が下がりやすい
やるならそのプラットフォームで認められている形かどうかを必ず先に確認してください。「みんなやっているから大丈夫」は理由になりません。
メルカリ物販は?

始めやすさでは、いちばんでしょう。スマホ1台で完結し、初期費用もほとんどかかりません。
ただ、始めやすいということは参入している人がとても多いということでもあります。
- 1件ずつ梱包して発送する。同じ作業をまとめられない
- 値下げ交渉の対応に時間を取られる
- 個人間のやり取りなので、対応の負担が大きい
入口としては良い場所。ただ、ここを本業の規模にしようとすると、作業量の壁にぶつかります。
並べて比べるとこうなる

ここまでを、最初の3条件で整理します。◯が多いほど、続けやすい構造ということ。
| 手法 | 情報が広まっても大丈夫か | 価格勝負を避けられるか | 作業量の壁を外せるか |
|---|---|---|---|
| 店舗せどり | × | × | × |
| 電脳・ポイントせどり | × | × | △ |
| 中国輸入 | △ | ◯ | ◯ |
| BUYMA | △ | △ | × |
| 古着 | ◯ | ◯ | × |
| 無在庫 | × | × | △ |
| メルカリ物販 | × | × | × |
この表を見ると、「オワコンかどうか」は手法の名前で決まっていないことが分かると思います。
×が並ぶ手法は、頑張っても構造的に苦しくなります。本人の努力の問題ではありません。
「オワコン」と言われ始めたとき、実際に何が起きているか

手法がきつくなっていく過程には、だいたい決まった順番があります。今いる場所を確かめる目安になるはずです。
| 段階 | 起きること | この時期の人の反応 |
|---|---|---|
| ① | 一部の人だけが知っていて、利益が厚い | 誰も話題にしていない |
| ② | 実績が出て、教える人が現れる | 「今がチャンス」と言われ始める |
| ③ | 参入者が増え、仕入れ値が上がる | 「ライバルが増えた」と言い始める |
| ④ | 売値が下がり、利益が薄くなる | 「数をこなせば大丈夫」と言い出す |
| ⑤ | 作業量が限界に達する | 「オワコン」と言われ始める |
大事なのは、「オワコン」という言葉が出るのは最後の段階だということです。
逆に言うと、②の「今がチャンス」という言葉が大量に流れている時点で、もう③に入りかけています。その情報を見て入るということは、自分より先に入った人がすでに大勢いるということだからです。
数をこなす方向に逃げると苦しくなる
④のところが分かれ道です。
1個あたりの利益が減ったとき、多くの人は「じゃあ数を増やそう」と考えます。これは自然な反応。ですが作業量が売上に直結する手法でこれをやると、そのまま⑤に着地します。
本当に見るべきは「1個あたりの利益が、なぜ減ったのか」です。構造の問題なら、数を増やしても解決しません。
乗り換えるタイミングの見極め方

「今の手法を続けるか、次に移るか」で迷っている方向けに、判断の目安を書いておきます。
1個あたりの利益を、去年と比べる
売上ではなく、1個売れていくら残るかを比べてください。
売上が同じでも、1個あたりの利益が下がっているなら、それは作業量でカバーしている状態です。じわじわ効いてきます。
作業時間を数えてみる
1週間、実際に何時間使ったかを数えてみてください。そして利益を割ってみる。
時給に直すと、思っていたより低いことがよくあるもの。それでも続ける価値があるかどうかは、数字を見てから判断してください。
やめてから移るのではなく、重ねて移る
今の手法をきっぱりやめてから次に移ると、収入が途切れます。
そうではなく、今の手法で稼ぎながら、その資金で次の形を作るのが現実的です。次が回り始めてから、前を減らしていけばいい。
とくに、まとまった資金が必要な手法に移るときは、この順番でないと詰みます。
私がAmazon×広告に落ち着いた理由

ここまで書いてきた条件を全部満たそうとすると、選択肢はかなり絞られます。
私が今やっているのは、Amazonで自分の商品ページを持ち、広告で人を集める形です。理由は次のとおり。
価格競争に巻き込まれにくい
自分で作った商品ページには、他の人が相乗りしてきません。同じページで値下げ合戦をすることがない、ということ。
もちろん似た商品はありますが、1円単位で並べて比べられる状態にはならないのが大きな違いです。
リサーチの時間がほとんど要らない
せどりのように「毎日新しい商品を探し続ける」必要がない。
一度売れる形ができたら、あとはその商品を育てていくことになります。探す仕事から、伸ばす仕事に変わります。
計算で判断できる
これがいちばん大きいところです。
広告は、1個売れていくら残るかが分かれば、広告費をいくらまで出していいかが計算で出ます。感覚ではなく、数字で線が引けるということ。
線が引けるということは、その作業を人やツールに渡せるということでもあります。判断の基準が数字なら、自分がやらなくてもいい。ここで作業量の壁を外せます。
広告を出す前に確認する数字については、こちらにまとめています。

家から出ずに完結する
仕入れはネットで、保管と発送はAmazonの倉庫に任せられます。店舗を回る必要も、自分で梱包する必要もありません。
体力勝負にならないぶん、続けやすい形だと思っています。
正直に書くと、向かない人もいます
良いことばかり書いても仕方がないので、はっきりと。
- まとまった仕入れ資金が要ります。1個ずつ仕入れる手法ではないので、手元にお金がないと始められません
- 数字を見る必要があります。計算で判断する手法なので、そこから逃げられません
- 売れるまでに時間がかかります。今日仕入れて明日利益、という形にはなりません
資金がまったくない段階なら、メルカリなどで小さく回して資金を作るほうが現実的です。順番の問題であって、優劣ではありません。
これから始めるなら、何を基準に選ぶか

手法の名前だけで選ばないこと。次の順番で見てください。
- 手元にいくら使えるか(ここで選べる手法が決まります)
- 週に何時間使えるか(作業量が売上に直結する手法は、時間が無いと詰みます)
- 価格勝負を避けられる形か(自分のページを持てるか、1点ものか)
- あとで人やツールに渡せるか(判断の基準が数字なら渡せます)
1番目で正直になるのが大事です。資金が10万円しかないのに、まとめ仕入れが前提の手法を選ぶと、必ず途中で止まります。
そして4番目。ここを最初から考えておくと、あとで楽になります。自分が動かないと止まる形を選ぶと、いずれ必ず頭打ちになるからです。
よくある質問

結局、いちばん稼げる手法はどれですか
使える資金と時間で変わるので、ひとつの答えはありません。
ただ、「作業量が売上の上限になる形」を長く続けると、必ずどこかで止まります。始めるのはそこからでもいいですが、抜ける道を最初から考えておいてください。
オワコンと言われる手法を今から始めるのは無駄ですか
無駄ではありません。とくに資金がない段階では、小さく回せる手法から入るのが正解だと思います。
問題は、そこに何年も留まることです。稼げるようになったら、資金を使って次の形に移る。この乗り換えを考えずにいると苦しくなります。
いくつも手法を試したほうがいいですか
おすすめしません。
私はひと通り触ってきましたが、同時にやったわけではありません。1つずつ、それなりの期間やって、限界が見えたから次に移っただけです。
同時に手を出すと、どれも中途半端になります。まず1つを、判断できるところまでやってください。
「稼げなくなった」という声が多い手法は避けるべきですか
声の多さより、3条件のどれに当てはまっているかで見てください。
「稼げなくなった」と言っている人の多くは、情報が広まった手法に、後から入って、価格勝負に巻き込まれています。同じ手法でも、条件を外して続けている人はいます。
まとめ

- 「オワコンの手法」があるのではなく、オワコンになりやすい3つの条件がある
- ①情報が広まる ②誰がやっても同じ商品になる ③作業量が売上の上限になる
- 店舗せどり・電脳・メルカリ物販は3つとも当てはまりやすい
- 古着は「価格勝負を避けられる」が、作業量の壁が厳しい
- 中国輸入は構造は良いが、資金がないと始められない
- ポイントは利益に数えない。外して計算しても残る商品だけ仕入れる
- 選ぶ基準は「資金・時間・価格勝負を避けられるか・あとで渡せるか」の4つ
手法の名前で「終わった」「まだいける」と言い合っても、あまり意味がありません。
大事なのは、その形が構造的に続くのかどうかです。3条件に当てはめてみれば、名前を知らない手法でも判断できます。
そのうえで、今のご自身の資金と時間で何が選べるかを考えてみてください。
物販の副業が続かなくなる理由については、こちらでも書いています。

手法のひとつであるメーカー仕入れは、始め方をこちらにまとめています。


