
広告費に月30万円と言われたんですが、これって出しすぎでしょうか。感覚がまったく分からなくて。



金額だけでは決まりません。売上がいくらあるかで、同じ30万円でも意味が変わります。
広告費の話になると、必ず金額そのものが先に出てきます。
30万円は多い。5万円は少ない。そんな感じです。ただ、実際に判断するときに見るのは金額ではありません。
その30万円が、いくらの売上を連れてきているかです。
売上100万円に対する30万円と、売上300万円に対する30万円は、まったく別の話になります。
この記事では、月30万円という規模の広告費を、どう考えて、どう配るかを整理します。
これから広告を始める段階の方には、少額から始める手順を別の記事に置いています。そちらが先です。
先に結論です。30万円まで増やしていいかどうかは、金額ではなく「1商品あたりの余白」で決まります。
- 広告費に月30万円が「多いか少ないか」の判断のしかた
- 30万円をどこに、どんな割合で配るか
- 少額のときと変わること、変わらないこと
- 予算を使い切れないときに、裏で起きていること
- 増やしていい合図と、増やしてはいけない合図
広告費に月30万円は、多いのか少ないのか


この質問には、金額だけでは答えられません。見るのは、広告費が広告経由の売上の何割にあたるかです。
同じ30万円でも、意味がまるで違う
広告から100万円の売上が立っているなら、30万円は売上の3割です。150万円なら2割、300万円なら1割です。
ちなみに月30万円は、1日あたりにすると約1万円です。管理画面で入れるのは日ごとの予算なので、この形に直しておくと考えやすくなります。
この割合が、利益が残る線を超えていないかどうかがすべてです。金額が大きいから危ない、という話ではありません。
危ないのは「売上に対する割合」を見ていないとき
月5万円でも、売上が10万円しかなければ、粗利が5割を超えていない限り赤字です。
逆に30万円使っていても、利益がきちんと残っているなら問題ありません。
だから最初に決めるのは、予算の額ではなく「売上の何割までなら広告に出していいか」です。
30万円を、どこにどう割り振るか


全商品に均等に配るのは、いちばんもったいない配り方です。商品を3つに分けて考えると、迷わなくなります。
①すでに売れていて、利益も残っている商品
ここに一番多く配ります。
すでに勝っているものを、もう少し強く押すのが一番確実だからです。新しい商品を当てにいくより、失敗する確率がずっと低くなります。
②売れてはいるが、利益が薄い商品
ここは増やしません。維持です。
広告費を足すと、売れるほど利益が減る形になりやすいためです。この層は、広告ではなく価格や商品ページ側で直します。
③これから育てる商品
ここは全体の一部だけを使います。データが少ないので、当たるかどうかは分かりません。
当たらなくても痛くない金額に抑えるのが、この枠の役目です。
迷うなら、6:3:1から始める
割合に唯一の正解はありませんが、目安はあります。
迷ったら①に6割、②に3割、③に1割から始めてみてください。
月30万円なら、①に18万円、②に9万円、③に3万円です。ここから、①で伸びしろが見えたら①を厚くしていきます。
逆に、③に半分を突っ込むのは危険です。当たるかどうか分からないものに、半分を賭けることになるからです。
少額のときと変わること、変わらないこと


金額が増えると、運用の性質が変わります。
変わること:失敗の金額が大きくなる
少額のときは、設定を間違えても数千円で済みます。この規模になると、同じ間違いが数万円になります。
だから確認の回数を増やすのではなく、大きく外れたときに気づける形を先に作ります。
変わること:手作業では追えなくなる
キーワードの数が増えるので、全部を目で見るのが難しくなります。
ここから先は、見る順番を決めておかないと時間だけ溶けます。どのレポートのどの列から見るかは、別の記事にまとめています。


変わらないこと:判断の材料は同じ
金額が増えても、見る数字は変わりません。
クリックに対していくら使ったか、そこから何個売れたか。それだけです。規模が大きくなると難しいことをやりたくなりますが、土台は同じです。
予算を使い切れないときに起きていること


30万円を用意したのに、使い切れないことがあります。これは「余裕がある」のではなく、たいてい別の問題が起きています。
- 入札が低すぎて、そもそも表示されていない
- 狙っているキーワードの検索数が、もともと少ない
- 在庫が切れていて、配信が止まっている
- カートが取れておらず、広告が出せない状態になっている
最後の2つは、広告の設定をいくら触っても直りません。
予算が余っているときほど、広告の外側を先に見てください。
30万円を出す前に、必ず出しておく数字


ひとつだけ、先に出しておくべき数字があります。
商品ごとの「ここを超えたら利益が消える広告費の割合」です。
売値から、仕入値と手数料と送料を引くと、1個あたりに残る額が出ます。その残った額が、損が出るかどうかの境目です。
これを超えると、売れるたびに損が増えていきます。ただし、境目いっぱいまで使うと利益はゼロになります。
実際に出していいのは、その半分から7割くらいまでです。
この線は商品ごとに違います。だから「全体で何割まで」という決め方だけでは足りません。
利益の薄い商品は、全体の平均が良く見えていても、その裏で利益が静かに削られていきます。
増やす判断そのものは、規模が変わっても同じ


増やしていいかどうかの見分け方は、少額のときと変わりません。
予算を毎日使い切っていて、利益の線を超えておらず、在庫が足りている。この3つが揃っていれば、増やして大丈夫です。
逆に、売れない日が続いているときに足すのは危険です。原因が広告の外にあることが多いからです。
この判断の手順は、少額から始める記事のほうで詳しく書いています。
この規模になると出てくる、固有の注意
金額が大きいときだけ気をつけることが、ひとつあります。
セールに合わせて予算を厚くするとき、前日に一気に上げないことです。
上げるなら数日前から少しずつにします。この規模だと、一気に動かしたときの外れ幅がそのまま金額になるためです。
私は、小さく増やして確かめてから進めます


ここからは自分のやり方です。私は、予算を増やすときに一度に大きく動かしません。
小さく増やして、数字が崩れないことを確かめてから、また増やします。面倒に見えますが、これが結果的にいちばん速いです。
一気に増やすと、悪くなったときに何が原因だったのか分からなくなります。
予算、入札、キーワード。同時に触ると、切り分けができません。だから動かすのは、一度にひとつだけにしています。
まとめ:30万円は目標ではなく、結果として決まる


広告費の予算は、最初に決める数字ではありません。利益が残る範囲を守りながら伸ばしていった結果、その額になっているだけです。
だから「30万円を使うにはどうすればいいか」と考えると、順番が逆になります。私がいま力を入れているのは、広告費を増やすことではありません。
同じ広告費で、売れる数が増える状態を先に作ることです。
そこを整えると、こうなります。
- 入札を上げなくても、注文が増える
- 予算を増やしたときに、素直に伸びる
- 広告を止めても、売上がゼロにならない
もちろん、こちらは時間がかかります。すぐに数字は動きません。広告費が思ったより高くなっていると感じるなら、先にこちらを読んでみてください。








