- 1個売れて手元にいくら残るかの、基本の出し方
- 料金シミュレーターでは出てこない3つの費用
- 3,000円の商品で、実際に最後まで計算した例
- 広告に使っていい金額の決め方
- この数字が分かると、仕入れの判断がどう変わるか
売上は立っているのに、通帳の数字が思ったほど増えない。
物販でいちばん多い相談が、これです。
原因のほとんどは、「1個売れて、いくら残るか」を出していないこと。
ここを出さずに商品を増やしても、増えるのは作業と在庫だけ。
この記事では、実際の数字を追いながら最後まで計算します。
まず、シミュレーターで出せる範囲

Amazonには公式の料金シミュレーターがあります。商品ページから、手数料の目安を出せる道具です。
ここで分かるのは主に2つ。
- 販売手数料:カテゴリーごとに決まっている(多くは販売価格の8〜15%)
- FBA配送代行手数料:サイズと重さで決まる
この2つを引けば、ざっくりした粗利は出ます。まずはここから始めるのが正しい順番です。
ただ、この数字だけで仕入れを決めると、あとで足りなくなる。
シミュレーターに出てこない3つの費用

実際にはここから、さらに引かれるものがあります。
① 広告費
新しく出品した商品は、そのままではまず見てもらえません。
見てもらう回数を増やすために広告を使うなら、その分が1個あたりの利益から引かれる。
ここを入れずに計算すると、売れているのに残らないという状態になる。
② 返品と、戻ってきた商品の扱い
返品されると、売上は取り消されます。ただし配送にかかった費用は戻りません。
戻ってきた商品も、そのまま再出品できるとは限らない。開封済みなら中古扱いです。
返品率はカテゴリーによって差が大きいので、自分の実績で見るのがいちばん確実です。
③ 保管料と、売れ残ったときの費用
FBAは倉庫に置いている間、保管料がかかります。とくに秋冬は単価が上がります。
さらに長く置いたままだと、長期在庫の手数料が別に発生する。
つまり売れるのが遅いほど、1個あたりの利益は削られていくということです。
- 広告費(見てもらうためのお金)
- 返品されたときに戻らない費用
- 保管料と、置きっぱなしにしたときの追加費用
3,000円の商品で、最後まで計算してみる

数字を入れて追いかけます。分かりやすくするため、金額は丸めています。
| 項目 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| 販売価格 | 3,000円 | お客様が払う金額 |
| 販売手数料 | −300円 | 10%として計算(カテゴリーで変わる) |
| FBA配送代行手数料 | −450円 | サイズと重さで変わる |
| 仕入値 | −1,200円 | 送料込みで考える |
| ここまでの残り | 1,050円 | シミュレーターで出るのはここまで |
| 保管料など | −50円 | 1個あたりに割ると小さいが積み上がる |
| 広告を出す前の利益 | 1,000円 | ★この数字が出発点 |
つまり、この商品は1個売れて1,000円が残る。ここまで出せば、判断の材料は揃います。
よく使われる「利益率」でいうと、1,000 ÷ 3,000 = 約33%。ただ、率よりも金額のほうが判断に使えます。
率が高くても1個100円しか残らないなら、100個売っても1万円です。
広告に、いくらまで使っていいか

ここからが本題です。1,000円が残るなら、そのうちいくらまで広告に回せるか。
決め方はシンプルで、先に自分で上限を決めるだけです。
- 半分までと決めれば、1個売るのに500円までなら黒字
- 3割までと決めれば、300円まで
- 立ち上げ期だけ全部使うと決めるなら、1,000円まで(利益ゼロで数を作る期間)
大事なのは金額そのものではなく、決めてから出すことです。
上限を知らずに出すから、いくら使っていいか分からず不安になります。決めてあれば、その範囲で試すだけになります。
ちなみに広告の管理画面では、この考え方が「広告費が売上の何%か」という指標で出てきます。上の例で500円なら、3,000円に対して約17%。
数字の名前は覚えなくて構いません。「1個売れていくら残るか」と「そのうち何割まで使うか」、この2つだけで足ります。
この数字が分かると、何が変わるか

計算そのものより、変わるのはその後です。
- 仕入れの判断が速くなる:残る金額が小さい商品を、最初から外せる
- 値下げの線が引ける:ここまでなら下げてよい、が決まる
- 広告を怖がらなくなる:上限があるので、使いすぎが起きない
- まとめて仕入れられるようになる:1個あたりが分かれば、10個仕入れたときの姿も見える
とくに最後が大きい。1個あたりの数字が出ていないうちは、まとめて仕入れるのはただの賭けです。
逆に出ていれば、同じ商品を繰り返し売る形に進めます。作業を増やさずに売上を増やす、いちばん現実的な道です。

計算を続けるためのコツ

1回出して終わりにすると、すぐ古くなる。
- 月に1回、数字を入れ直す:仕入値も手数料も変わる
- 商品ごとに分ける:全体の平均では、どれが足を引っ張っているか分からない
- 売れるまでの日数も一緒に記録する:同じ利益でも、回転が速いほうが強い
表計算ソフト1枚あれば十分です。凝った道具はいりません。
よくある質問

利益率は何%あればいいですか
よく20〜30%と言われますが、率だけでは判断できません。
率が高くても金額が小さければ数を売る必要がありますし、率が低くても回転が速ければ月の利益は大きくなります。
自己発送(FBAを使わない)なら手数料は安くなりますか
配送代行手数料はかかりません。その代わり、梱包と発送を自分でやることになります。
その時間も費用として見ておくと、判断を間違えにくくなります。
計算したら赤字でした。どうすればいいですか
順番があります。①販売価格を上げられないか ②仕入値を下げられないか ③サイズを小さくできないか(配送代行手数料が下がります)。
この3つで届かないなら、その商品では広告を出しても状況は変わりません。
シミュレーターの数字と実際がズレます
カテゴリーやサイズ区分の判定、期間限定の手数料変更などでズレます。
最終的には、自分の実績(入金額)で確かめるのがいちばん正確です。
まとめ

物販の判断は、ほとんどが「1個売れていくら残るか」から始まります。
販売手数料と配送代行手数料を引くところまでは、公式のシミュレーターで出せます。
そこに広告費・返品・保管料を足して引くと、実際に手元に残る金額が見えます。
その金額のうち、何割まで広告に使うかを先に決めておけば、使いすぎることはありません。
この2つが出た時点で、仕入れも値下げもまとめ買いも、全部同じ物差しで決められるようになります。
- シミュレーターで出るのは、販売手数料と配送代行手数料まで
- 広告費・返品・保管料は、自分で足して引く
- 3,000円の商品で、実際に残るのは1,000円ほど(例)
- 広告の上限は「残る金額の何割まで使うか」で先に決める
- 率より金額で見る。率が高くても金額が小さければ数が要る
- 1個あたりが出れば、まとめて仕入れる判断もできる
あわせて読みたい
数字が出たあとの進め方は、こちらにまとめています。




最後に、ひとつだけ。
「計算してみたけれど、この数字でいいのか分からない」「赤字だった商品を、どう立て直せばいいか分からない」「その商品をもう一度仕入れていいのか、自分では決められない」
そんな方は、よければ一度ご相談ください。
実際の数字を一緒に並べて、いまの商品で1個あたりいくら残っているのか、その商品をこれから積んでいけるのかを出します。
数字を並べてみるだけでも、次にやることはかなりはっきりします。
まずは、いちばん売れている商品を1つだけ選んで、販売価格から手数料と仕入値を引いてみてください。
いい商品を探し続けるより、売れる形をつくったほうが早い。
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